一日の仕事が終わり、やっと部屋に帰ってきた。
ソファーに深々と座り、煙草に火をつける。
静かに、煙を吐き出す。
何か変だ。
部屋の中が何かおかしい。
私は、部屋の中を見まわす。
普段と変わらないようであるが、何かが違っているようでもある。
部屋の中のさまざまなものをゆっくりと見てゆく。
何かの違いを見つけようとしていた。
白い壁の一部の色が青くなっているような気がした。
顔を近づけてみる。
周りの壁の白色とは、違う。
青みが入っている。
この部屋に住んで一年になるがここが青くなっていることには気づかなかった。
元から青かったのか、それとも、最近、変色したのか?
もっと、顔を近づける。
青い部分の色が変わってきている。
青から赤い色に変化している。
壁の中に何かあるのかもしれない。
私は、壁を触ってみる。
やわらかい。
暖かい。
壁を押してみた。
押した手が壁の中にめり込んでゆく。
吸い込まれるように、手はどんどん入っていく。
怖くなって、手を引き抜く。
壁から、離れる。
いつもの、壁のようにみえる。
壁に近づき、もう一度、手を入れてみる。
さらに手を伸ばしていく。
肩まで入った。
さらに押し込む。
顔まで中に入ってしまった。
息は出来る。
苦しいこともない。
何もない空間があるだけた。
体全体を中に入れた。
何もない空間は、白一色だった。
歩くことができる。
空間の奥がどうなっているのか、知りたくなり、奥へと進んでゆく。
いくら進んでも、何もない。
それでも進んでゆく。
突然、足元の感覚なくなった。
体が、下へ落ちてゆく。
意識が遠くなってゆく。
目覚めた。
私は、自分の部屋のソファーに座っていた。
夢を見ていたようだ。
あまりにもリアルなような気がしていたが、夢なのだろう。
壁を見たがいつもの壁があるだけだった。
私は、ベッドに横になり、眠りに落ちていった。
壁の一部分が青くなり、脈うっていた。
私は、眠り続ける。
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