強い日差しが照りつける、見渡す限り眩い、青い海。
少女の遺体は、その海にゆらりゆらりと漂っていた。
白いワンピース、白いソックスに片方だけの黒い革靴。
遺体の腐食は、激しかった。
そこへ、回遊するイルカの群れがやってきた。
少女の周りを大きな円を描きながら泳ぎ始める。
しばらく回ると、その中の一頭が、少女に近づいていき、少女の腕に鼻を軽くあてる。
少女の身体が、揺れる。
まわりのイルカたちも少女の身体に触れる。
そのたびに、少女の身体は、ゆらゆらと揺れ続けていた。
イルカたちは、再び、少女の周りを回り始めた。
左まわりにグルグルと回り続ける。
しばらく回ると、二頭のイルカが少女の両腕をそれぞれに咥え、もぐり始めた。
仲間のイルカも二頭についていく。
イルカたちは、どんどんもぐっていく。
太陽の光りが届きづらくなってきたほの暗いところで、少女の腕は、放された。
少女の身体は、浮かび上がることもなく、音もなく静かに暗い海の底へと舞い落ちていく。
イルカたちは、その場でしばらく旋回していたが、
少女の姿が完全に海底の闇に溶け込んでしまうと、いっせいに海面へと急浮上してゆく。
イルカたちは、海面が近づいてもスピードを弱めようとせず、海面を突き抜けていった。
強い日差しの外気に次々と身体を踊らせ始めた。
水しぶきを上げる曲線美の美しいイルカたちの身体は、光り輝いていた。
イルカたちは、しばらくジャンプを続けると、徐々にその場を離れて去っていった。
その間も、少女の身体は、深海へと落ち続けている。
やがて、少女の身体は、暗い砂地の海底にうつぶせにそっとたどり着いた。
すぐに、足が異様に長い白いカニが少女に近づいてきた。
ザワザワと大量のカニが引き寄せられるように集まってくる。
少女の身体は、白いカニで覆い尽くされ、白い物体の塊りようになった。
カニたちは、少女の身体をハサミでちぎり取り食べ始める。
しばらくすると、白い物体の中ほどが盛り上がり始め、
激しい砂ぼこりをあげ勢いよく海底から離れ、上昇していった。
白い物体から、次々とカニたちが落ちてゆく。
少女の裸体が現れた。
長い髪をなびかせ上昇していく少女。
生き生きとした身体には、傷ひとつなく、完璧の形を成してしている。
大きく見開かれた眼は、頭上に光り輝く海面へと注がれている。
海面が近づいてきても、少女の上昇スピードは弱まらず、勢いは増していく。
少女の身体は、海面を突き抜けた。
海面高く、大きく飛び出す。
ギラギラと照りつける太陽を全身でうけ、光り輝く少女の裸体。
そのまま海中へと、白い泡をいくつもたてながらと落ちてゆく。
仰向けに浮かびあがってきた少女に、意識はなく、
再び、広い海を漂い始めた。
それから一時がたち、 照りつける太陽が雲に隠れ始めたとき、
白い大型クルーズ船が少女の傍に停まった。
0 件のコメント:
コメントを投稿