2008年2月28日木曜日
45 さとるの一族
その小さな子供さとるは、目の前の小屋に入りたくなかった。そこに、なにがあるかを知っていたからである。そこでの出来事は、自分がしたことであるが、望んでしたことではなかった。やらねばならなかったのである。さとるの運命なのである。さとるの先祖は代々、行ってきたことである。さとるの家系は子供が必ず双子で誕生するのである。そして、誕生から、八年後にはどちらかの命を絶たねばならないのである。そうすることで大いなる力を得るのである。さとるは、もうひとりの自分をその力で殺し、この小屋に残したのである。もう一人のさとるは、最後に笑って許してくれた。それでも、さとるは自分を許すことができなかった。汚い心を持った自分が生き長らえ、清らかな心の者がこの世を去っていったことが。それでも、さとるはその小屋へと入って行き、最後のしきたりをとりおこなった。最後のしきたりとは、もう一人のさとるの心臓を食らうことであった。こうすることで、さとるの一族は何千年ものながきを生きてきたのである。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿