2008年2月28日木曜日

29 黒い手

川のほとりを歩いていた。流れが激しく、濁りもひどい川だった。それでも、女はこの川が好きで今日も散歩していた。いつも聞きなれている川の流れの音の中に異なる奇妙な音、引き寄せられるように川を覗き込む。ぬるりと飛び出した黒い手が頭をわしづかみ、ひきづりこんだ。すぐに、あたりは、いつもの川の流れの音でいっぱいになった。

0 件のコメント: