2008年2月28日木曜日

51 洗濯機

洗濯機の中にいる少女は、スタートのボタンを押した。水が勢いよく、少女にかぶさってゆく。裸の身体を水が包み込んでゆく。首の辺りまできたとき、水槽が、ゆっくりと回り始めた。くるくる、くるくる、くるくる、止まり、反対にくるくる、くるくる、くるくる。少女は、時折、水をすくい、頭にかけている。十分ほどで、脱水が始まった。ものすごい速さで回っている。少女の髪が広がり、顔がいくつもに増えている。脱水が終わったところで、少女の手が中からふたをあけて、停止のボタンを押した。ゆっくりと洗濯機から出てきた少女は、パジャマに着替えて、ベットに入った。これが少女の一日の終わりである。人には言えない、一日の最後の楽しみである。

0 件のコメント: